最初に夜を手ばなした

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「なんという美しい表現でしょう」――トットちゃんこと黒柳徹子さんが、無名の作者に届けてくれた言葉。

『最初に夜を手ばなした」メイキング#5

私たちは、トットちゃんこと黒柳徹子さんにコメントの依頼をした。

通常、この手の依頼は1〜3ヶ月くらいの余裕をもってお願いする。小説だったりすると、読む時間が必要だからだ。デザインが上がってくるのは2020年のお正月が明けてからなので、ラフをプリントアウトして送った。ラフと言っても、私がパワポに貼り付け工作したものだけれど。

一週間、10日、2週間……こ

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失っていく現実の中で、彼女を支えたのは家族、友人、スマートフォン……そして記憶のカケラ

『最初に夜を手ばなした』メイキング#4

ほぼ台割も決まり、イラストの完成度も高めて、あとは素材を用意して、12月末にデザイナーの名久井さんに渡すだけ、という段階の11月末、椿さんからタッチの違う2枚の絵が送られてきた。

え!? どうした? 少女がワイルドになっている! 何があった? この娘に!

椿さんは「小説家になろうサイト」にラノベ(ライトノベル)の小説も投稿しているので、本来の彼女の

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トイレットペーパーの芯を覗くような視野を想像してみる。「彼女はどうやって描いているんだ?」――15枚の絵を48ページの絵本にするまで。

『最初に夜を手ばなした』メイキング#3

Twitterのメッセージ機能よりも、メールかLINEにしませんか? と椿さんから提案がある。椿さんは、スマートフォンを使いこなしている。メッセージアプリを始め、いろいろなアプリを自分で試している。

“トイレットペーパーの芯を覗くような視野”というので、たぶん日常的にPCよりもスマートフォンのほうが使用頻度は高いのだろう。LINEの返事はすぐに戻ってきた

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名も知らぬ少女のツイッター投稿が、なぜ多くの人の心に刺さったのか。――スマートフォンの中で大きく手をふる少女はアッシャー症候群を患っていた。

『最初に夜を手ばなした』メイキング#1

――わたしはここにいますよ。

――あなたにはわたしが見えますか?

何気なく見ていたFBのタイムラインの中で、彼女はこちらに向かって手をふっていた。

彼女は生まれつき耳が聞こえず、だんだん目も見えなくなっていくという。

最初に”夜”を手放した。

この一行が私の心を撃ち抜いた。

目が見えなくなっていくことは、昼の世界よりも、まず、夜の世界が失うこと

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