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伝説の家政婦#志麻さん のとっておき。簡単いちごレシピの撮影裏話。

志麻さんの初おやつ本はこうして生まれた#3

志麻さんがNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場したときの反響は物凄いものでした(後から教えてもらいましたが、2018年の年間最高視聴率だったとか)。

その「プロフェッショナル」が、再び志麻さんを撮影!
と聞いたのが、ちょうどおやつ本の撮影に向けて準備をしているときでした。

試作中の様子を撮ってくださったと聞いて、小さくガッツポーズ!

「できるだけ無駄な工程を省いて、簡単に作れるようにしたい」
「材料もできるだけシンプルに、作りやすい分量にしたい」

志麻さんが目指す「おやつ」は、忙しい人でも気軽に、いつでも思いついた時にできるようなもの、でした。

担当「ベーキングパウダーなんて、普通の家庭にないですよねー」
志麻さん「ホットケーキミクスを使えば、いろんなものができます。この中にはすでにベーキングパウダーが入っていますから」

加えて、「ホットケーキミクスなら、子育て中の人の家にはほとんどありますよ」という志麻さん。お仕事柄、いろんな家庭を訪ねていますから、説得力があります。

担当「バターはやっぱり無塩じゃないとダメですか?」
志麻さん「お料理に使う普通の有塩バターで大丈夫ですよ。塩が入っていると味がしまるんです」

お菓子作りに慣れていない人は、材料がないだけで萎えてしまいがちですが、それなら大丈夫! そんなやりとりをしている最中に、志麻さんはご自宅で何度もレシピを試してくださっていました。

撮影日は4〜5日を予定。生まれたばかりのお子さんがいるので、できるだけ無理のない、そして無駄のないスケジュールを組むことにしました。となると、ご自宅のオーブン1台では時間的に撮りきれない・・・。

そこで、以前、雑誌の編集をしているときにお世話になったパナソニック広報部さんにご相談したところ、撮影期間どころか、試作用に前倒ししてオーブンレンジを貸し出してくださることに! ありがたい!

ところが・・・。

大変! 材料が手に入らない!

クリスマスシーズン前に発売を予定していたので、「表紙はやっぱり“いちご”ものでしょう!」と考えていました。しかし、時はまだ暑さが厳しい9月上旬。

街のケーキ屋さんでは、年中いちごを見かけていたので、油断していました。いちごの旬は春。スーパーに並ぶのは先だとしても、ネットスーパーならカタログにもあるし・・・などと、いま思えば呑気なものです。

市販では手に入らないと知って、冷や汗をかきながら、いちご農家を調べて問い合わせを始めました。「出版社の者です」と伝えても、「誰ですか?」の世界です。この時期、業者向けの分しか作っていないというので、これはもうアポなしで訪ねていって、直談判か! と思った矢先、ようやく気軽に相談にのってくれるところが現れました。

これでなんとかなりそう! いちごを使った撮影は、その到着日に合わせました。

暑い最中ですから、大量に買った「要冷蔵」「要冷凍」の材料の置き場にも一苦労。志麻さんちの冷蔵庫はまとめ買いしたバターや卵、パイシートなどでいっぱいに(笑)。

オーブンを2台使う予定なので、志麻さんの家のブレーカーが落ちないように、エアコンも抑えめで、皆、汗だくのなか、いよいよ撮影が始まります。

その前にいちごのおやつレシピを。

と、ここで例のいちごを使ったレシピをご紹介しましょう。
「ミルフィーユ」というのは「千枚の葉」という意味だそうですが、千枚をグッと減らして「1枚の葉」にした「ユンヌフィーユ」。この志麻さんのアイデア、おすすめです。

ユンヌフィーユ

材料
冷凍パイシート 1枚
カスタードクリーム 適宜
(↑本では冒頭で作り方を紹介しているのですが、これは後ほど)
いちご 適宜
下準備
・オーブン予熱 180℃
・冷凍パイシートを半解凍する。
・天板にオーブンシートを敷く。

❶ パイシートを3等分に切る。

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❷ ❶をオーブンで焼く(180℃→7〜8分)。

❸ 生地がふわっと膨らんで、表面に焼き色がついたら取り出す。

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❹ ❸にオーブンシートなどをかぶせて、まな板などで上から押さえる。


❺ つぶしたパイをさらにオーブンで焼く(180℃→10分)。

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❻ 仕上げにカスタードクリーム、いちごをのせる。

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これで完成!

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いちご、無事、届いてよかった。ご協力してくださったいちご農家さんにスペシャルサンクスです。

ちなみに、カスタードクリームの作り方はこちら。

カスタードクリーム

材料
卵黄 2個分
グラニュー糖 25g
小麦粉 大さじ1
牛乳 250cc
*クリームを固めにしたいときは小麦粉を少し多めに。

❶ ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れて、泡立て器でよく混ぜる。

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↑ 空気を含ませるように。

❷ 白っぽくなってきたら、小麦粉を入れてさっくり混ぜ合わせる。

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❸ 鍋で牛乳を沸騰直前まで沸かし、❷に加えて混ぜる。

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❹ ❸を鍋に戻す。

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↑ この時❸をざるでこすと、より滑らかになります。

❺ 焦げないように混ぜながら、強めの中火にかけ、表面がふつふつしてきたら、火を止める。

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❻ 容器に移し、表面が乾かないように落としラップをして、粗熱をとり冷蔵庫で冷やす。

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(つづく)

本書の詳細はこちら


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