「日本人女性初」の枕言葉を総なめにするすごい科学者の日々幸せを実感する生き方
あきらめずに、夢を見続ければ、きっと花を咲かせることができる
国立遺伝学研究所名誉教授の太田朋子さんの書籍が6月11日に発売されます。
タイトルは、『信じた道の先に、花は咲く。』86歳女性科学者の日々幸せを実感する生き方
となりました。
ご存じの方は少ないかもしれませんが、この方、世界的に有名なすごい科学者なんです。
太田朋子さんは、82歳のときに、科学分野におけるノーベル賞とも呼ばれる、クラフォード賞を受賞しました。その後、文化勲章も受賞されるなど、日本のみならず、世界の遺伝研究に名を刻む方です。
86歳の今も、週に3回、研究所に通い、若い研究者と談義するその姿は、生涯現役を体現しています。
しかし、その道のりは平坦なものではありませんでした。受験失敗などの挫折や回り道、さらに論文を世界中から非難されることもありました。
それでも、コツコツと研究を続けてきた、その道の果てに今がある、と著者は語ります。
これまでの人生で得た幸福の在り方、希望の持ち方についての考え方を著した、一般書としては初の本になります。
以下、本文から目次と先生の言葉を抜粋してみます。
第1章 老いを受け止めて生きる
第2章 孤独に負けない心
第3章 信じた道を、ただひたすらに
第4章 幸せはいつも日常の中にある
第5章 一人で老後を生きるということ
「自分で進みたい道を切り開き、夢をつかむためには、自分から動くこと。流れに任せていたら、運命は動きません。」
「一度、決断したら批判をおそれず、前へと突き進むことが大切です。決断とは、実績も何もない人間が持つ強力な武器です」
「免疫力を高めるためには、「規則正しい生活」ということにつきます。それは、私のなかでは「極上の生活」を意味する言葉になっています。」
先ほど紹介したクラフォード賞をはじめ、猿橋賞、アメリカ国立科学アカデミー外国人会員など、日本人女性初の枕詞ばかりが並ぶ受賞歴。
にもかかわらず、おごらず毎日コツコツと研究を続けてきただけと語る著者のメッセージの数々は、コロナ禍の希望の見えない現代社会に勇気を与える一冊です!
著者:太田朋子著 (オオタトモコ)
1933年生まれ。国立遺伝学研究所名誉教授。Ph.D、理学博士。1956年東京大学農学部農学科卒業、1966年アメリカ・ノースカロライナ州立大学大学院博士課程修了。1967年から学術振興会奨励研究員として国立遺伝学研究所集団遺伝部で研究を開始、1969年より同研究所研究員となる。1973年、科学雑誌『ネイチャー』に発表した「分子進化のほぼ中立説」は、今や進化遺伝学の世界標準となる。2015年、ノーベル賞の対象となっていない科学の分野を対象とするスウェーデン王立科学アカデミーのクラフォード賞を受賞。2016年には文化勲章を受賞。日本人女性研究者では唯一のアメリカ国立科学アカデミー外国人会員でもある。国立遺伝学研究所教授を退職した今も、若い研究者の育成とともに世界へ向けて発信を続けている。 著書に『分子進化のほぼ中立説』(講談社)がある。