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マガジンハウス書籍部です。新刊・既刊に関するご案内・面白い読み物をお届けしたい。「試し読み」も続々更新予定です。https://magazineworld.jp/books/

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  • 俺の上には空がある広い空が

    桜井昌司『俺の上には空がある広い空が』

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    ビジネスパーソンの日々のアイデアストックに、役に立つ記事をまとめていきます。

  • 志麻さんと一緒に作ろう

    伝説の家政婦・志麻さんのレシピを、少しずつ紹介していきたいと思います。担当が聞きかじった料理まわりの楽しいエピソードもお届けします。

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    益田ミリさんの作品にまつわる情報発信をしてまいります。

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    マガジンハウスの話題書の「さわり」を読んでいただきたいマガジンです。

最近の記事

『深夜、生命線をそっと足す』を病理医ヤンデル先生はどう読んだか

私ことDr.ヤンデルが読み終わったばかりの本の感想を10分くらいで話すTwitter Spacesでございます。 本日私が読み終わったのはこちら、作家の燃え殻さんとAV監督の二村ヒトシさんがずっと深夜にラジオ(AuDee配信)をやられていたんですね。「夜のまたたび」という番組。実は今から数時間前、今日の0時(12月14日0時)に最終回が更新されました。 「夜のまたたび」、これがすごいいい番組なんですよ。僕、アーカイブで結構聴いてました(2023年1月いっぱいまで無料で配信

    • やるせなくて、ちょっとエッチで、絶対的に肯定される世界がここにあるー『深夜、生命線をそっと足す』(燃え殻/二村ヒトシ)

      真っ昼間、運命線をメチャクチャに足す占い師として手相を見るようになるずっとずっと前のこと、書店で「欲しい手相は描けばいい」的な内容の本を見つけたことがある。代理店でのプレゼンを直後に控え、徹夜でぼうっとした頭が一瞬で冴えわたった。金色のペンで理想の手相を描けば、運命が変わるのだという。これだと思った。当時の私は骨の髄まで疲労が染み渡っていた。毎日明け方まで働いても終わらない仕事、ままならない恋。こんなドブの中みたいな人生はもう嫌だった。運命を変えて、人並みになるのだ。 『深

      • 「私なんかが」は呪文のように自分からやる気も可能性も奪っていく。ジェーン・スー『おつかれ、今日の私。』試し読みを公開します

        友達の桜林直子さん(以下、サクちゃん)が『諦めの呪いを、許可でとく話』というnoteを書いて、それを読んだ私は「なるほどなあ」と深く頷いた。 サクちゃんは長年、目標を立てない生き方をしてきたらしい。常により良い選択をしてきたけれど、そもそもの選択肢は「知っている中だけ」で選んできた。目の前の問題を都度クリアして、良いと思ったほうを選んで生きてきて、それだけでもすごいいわと私は思うのだけれど、サクちゃん曰く「たどりついたのは、別に自分が望んで

        • 燃え殻・二村ヒトシ『深夜、生命線をそっと足す』試し読みを公開します

          「人生のほとんどは、偶然で決まる」 二村 人生の中でさ、自分にとって、存在感っていうか、なんだか厚みを持ってる他人っていますよね。その人と結婚することになるのかもしれないし、何も起きないかもしれないし、仲良くなっても別れることもあるかもしれない。恋人とも憎い敵とも限らない、ただの知り合いだけど、その人と会って少し話したことで何かが変わった、みたいな。で、それがさ、だいたい全部偶然でしょ。 燃え殻 そうそう、本当に偶然。無限の出会いがあるわけじゃな

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          『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』書評を紹介しますPart2

          八王子から来た少女が圧倒的な才で生んだ自分だけの音楽––。小説で描く彼女の青春J-POPなどという呼称のなかった洋楽全盛の頃である。あちらのロックでなければ夜も日もあけない。そんな若造たちのあいだでも荒井由実は別格だった。 どうしてユーミンだけは特別扱いされるに至ったのか。 本書を読んでよくわかった。 とにかく出来が違うからというのが答えである。 勉強しなくても学校の成績は抜群、ピアノと三味線を習い、幼時から母に連れられて芝居や映画を浴びるほど観る。 絵も得意で高校時代には

          『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』書評を紹介します

          大変な労作、そして傑作である。『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』(マガジンハウス)は、松任谷由実氏(以下ユーミン)の生い立ちからプロ・デビューまでを振り返った重厚な本だ。その成り立ちは特異で、小説家の山内マリコ氏がユーミンに徹底取材を行い、本書を書き上げたという。小説ともルポルタージュとも微妙に違っており、あえて言うなら、「ノンフィクション・ノべル」といったところだろうか。 ユーミンは、八王子の裕福な呉服屋の娘として生まれた。幼い頃からピアノに触れ、三味線音楽を学び

          『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』に続々と寄せられた感想を公開します

          ユーミンこと松任谷由実さんの少女時代を描いた『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』(山内マリコ・著)を書店のプロの読み手たちはどんな風に読み解いたか。続々と寄せられた感想を公開します(順不同)。 本書の詳細はこちらより。

          12月8日発売決定!『深夜、生命線をそっと足す』まえがきを公開します

          法事などに行くと、ときどき現れる一風変わった親戚のおじさんはいないだろうか?  僕の親戚にはひとりそういうおじさんがいる。とにかくそのおじさんは話がエロおもしろい。エロおもしろすぎて、一緒に話していると、両親が割って入ってきて、「あっち行ってなさい」といわれたほどだ。 おじさんは五十代後半だったが、 結婚離婚を繰り返し、そのときは二十代前半の女性と結婚していた。法事なのに真っ 赤な靴下にヤンキースの松井秀喜Tシャツで来てしまうような人で、名刺

          『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』(山内マリコ・著)表紙の少女は……

          10月27日発売予定の『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』(山内マリコ・著)の表紙がいよいよ公開となりました。 この少女は誰? と思う方もいるかもしれません。 ユーミンこと松任谷由実さんの荒井由実時代(1973年)の姿です。 本書は、松任谷由実さんへの取材をもとに、作家・山内マリコさんがデビューするまでの少女・荒井由実を小説で描き出しました。 ユーミンといえば、最新アルバム、松任谷由実『ユーミン万歳!~松任谷由実50周年記念ベストアルバム~』が"女性アーティスト最年

          無実の罪を背負って29年間を獄中で過ごした。その壮絶な人生が映画になりました

          無実の罪を背負って29年間を獄中で過ごした人がいます。桜井昌司さん。1967年に茨城県で起きた布川事件の犯人の一人として逮捕され、20歳から49歳までの29年間を獄中で過ごします。1996年に仮釈放された後、再審請求の闘いを経て、2011年ようやく無罪が認められました。 その桜井さんの人生を長年追ってきた金聖雄監督のドキュメンタリー映画『オレの記念日』が10月8日(土)より公開です。 映画の情報はこちらより。 ポレポレ東中野(東京)ではトークイベントも予定されているそうです

          シリコンバレーの巨人に成功者たちが語ったーー実践で培った事業拡大の10の教訓。

          例えば、「これはビル・ゲイツ、マーク・キューバン、Starbucksのハワード・シュルツ、Netflixのリード・ヘイスティング、Appleのアンジェラ・ アーレンツ、Googleのエリック・シュミット、Yahooのマリッサ・メイヤー、Airbnbのブライアン・チェスキー、You Tubeのスーザン・ウォジスキたちから教えてもらったこと」、と前置きされたら、耳をそば立ててしまう違いない。 しかも、「教えてもらった」という人物がLinkedInの共同創業者で、ベンチャー・キャ

          50万部超のベストセラー!勉強法の金字塔『「1日30分」を続けなさい!』が新書版で復刻!「プロローグ」を公開!

          勉強法ブームをつくった『1日30分を続けなさい! 人生勝利の勉強法55』(古市幸雄/著)が<マガジンハウス新書>としてアップデート!!  スキルアップはもちろん、多くの人の夢を叶えてきた“実践的勉強法”がたくさんつまった一冊です。 新書版の発売を記念して、「プロローグ」の一部を公開します! プロローグ「1日30分」を続けるだけで、夢が現実になる お客さんに謝らなければ……。 これが、この本の出版オファーをいただいた時に感じた正直な気持ちでした(2007年6月、単行本出版)

          「最先端の脳科学」で子どもたちの心を守る――日本人史上最年少の米国臨床医が目指す未来

          社会正義としての小児精神科医  私は、臨床医として子どもたちのうつ病や躁うつ病、不安障害、ADHDなどといった精神疾患の診療をしています。また、脳科学者として、「子どもの気分の調整が、脳の中でどのように行われているか」を調べる研究もしています。  私は北海道大学医学部に在学中、アメリカの医師国家試験に合格し、卒業と同時に渡米しました。イェール大学で研修医をしたのち、ハーバード大学に移り、そこで子どもに特化した小児精神科の研修を受け、32歳のときに助教授になりました。 私の研

          最高の人事制度もデザインできる――世界的経済学者が実践する「社会変革」

          「人材配置ミスマッチ」を解消する  私は、経済学では新興の分野の「マーケットデザイン」を研究しています。マーケットデザインとは、世の中の「資源」や「人」を最適な形で配分するために、社会制度をどう設計していけばいいかを考えていく、というものです。  その中でも特に専門は「マッチング理論」です。これは、人と人、人とモノを最適に組み合わせる仕組みを研究する学問です。理論にとどまらず、現実社会に応用していくことで社会問題を解決に導けるというのが、この学問の大きな特徴です。  私は「

          これからは「わけがわからない人間」が輝く――”世界が認めた天才”成田悠輔が「未来」を語る!

          「ふらふらしている人」を目指す  私は最近はさまざまな活動をしていて、大学教員として講義や学生指導をやったり、研究成果を論文にまとめたり、ソフトウェアをつくったり、小さい会社をやって自治体や企業と仕事をしていたり、『日経テレ東大学』などのメディアでよくわからないことを書いたりしゃべったりしてます。  いろいろなことをつまみ食い的にやっている人間で、要はふらふらしている人という感じです。「ふらふらしている」というと、「いい歳して何をやっているんだ」と説教されたりしますが、私は

          アメリカで目の当たりにした「資本主義の限界」――気鋭の経済思想家はなぜ、マルキシストになったのか?

          世界一の経済大国で目撃した「圧倒的格差」  私が最初に資本主義に疑問を持ったのは、アメリカのウェズリアン大学に留学した18歳のときです。  アメリカではすごくいい教育が行われているし、経済も発展している。楽しい文化もたくさんある。アメリカへの憧れで留学を決めました。留学前は国連などで途上国支援のために働きたいと思っていたのです。  しかし留学中、アメリカへの憧れが吹き飛ぶような経験をします。ハリケーンの被災地へ炊き出しのボランティアに行くことになり、そこで「格差社会」を目の