１） 読後の感想を教えてください。
小説では無く、エッセイと日記のスタイルが組み合わされた構成が新鮮でテンポが良く、一気に読み終えてしまいました。終始、燃え殻さんの声に脳内で変換されながら読み進めました。そして安心できる落ち着きをもたらしてくれました。
SNSのように、過激さや過剰さで彩られた誰かの生活を覗き見している感覚とは真逆の、色々なことはあるけれど生きて活動している、という人間全員が経験しているであろう毎日の1ページが淡々と語られている燃え殻さんの作品はいつも安心感と落ち着きをもたらしてくれると感じています。

２）30篇ちょっとありますが、一番好きな一篇を教えてください。また、その理由も教えていただけましたら嬉しいです。
「どんな予定もうっすら行きたくない」
この一篇で書かれている主人公の気持ちに99パーセント共感したからです。
“人間性を本格的に疑われる” 気がして人生で一度も口に出したことは無く、
その考えが吉と出たことも無いので99パーセントとしています。
ただ、ラジオ番組「BEFORE DAWN」でこの一篇を朗読していただいた放送回の後で、「わかるー」といった類の反応をSNSでいくつか見つけたので、“人類がなかなか口に出すことができなかったが、多くの人が持つこの感情”を言語化し、公共の電波、書籍、そしてPodcastで公開してくれた貴重な一篇なのではないか、世紀の発見のようなものすごい一篇なのではないか…と、うっすら期待しています。

３） 心に残ったフレーズがあれば教えてください。
「どんな予定もうっすら行きたくない」
→このフレーズには100パーセント共感です。言語化していただき感謝！

「すこし疲れた都会が好きだ」の中の一節「夜を待ちわびていた人々」
→このような人々に心当たりがあります。夜にしか会ったことのない親しい人々も身近にいます。愛すべき「夜を待ちわびている人々」のことを思い出しました。

４） 燃え殻さんの文章のどういうところが好きですか。
光景が見えるところと、声が聞こえてくるところです。
それはつまり映像が見えてくるというのでしょうか…
自分が燃え殻さんの作品の中の主人公で、「この物語は経験したことあるな」と感じさせてくれるところも好きです。
何故なのかはわかりません。

５）今後、燃え殻さんに書いてもらいたいテーマなどあれば教えてください。
旅に出るシリーズもの。
「男はつらいよ」の大ファンなので。