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『自分を探すな 世界を見よう』田端信太郎

ビジネスパーソンの子育てのイメージを覆す、田端信太郎が父として初めて語った熱き人生訓!
『自分を探すな 世界を見よう 父が息子に伝えたい骨太な人生の歩き方』


NTTデータ→リクルート→livedoor→LINE→ZOZOと、大企業から最先端企業に引き抜かれ、堀江貴文さん、前澤友作さんなど個性の強い経営者の横で戦い、たしかな実績を積んできた著者、田端信太郎さん。

そんな田端さんの新刊は、息子たちに送る人生指南書。
人生の楽しむとはどういうことか、仕事とは何か、とともに、なぜTwitterで発信するのか、なぜ忖度ができないのか、なぜ自分の考えを押し黙ることができないのか……など、SNSでは語られない著者の真意が「社会人となった息子への手紙」として語られています。

歯に衣着せぬ発言でしばしば話題となる(若干ヒールみのある)田端さんが、なぜ「父親」としての本を? と思いましたか?

バリバリのビジネスパーソンの子育て、って……
「やっていること1割なのに、5割やってる風吹かすよね」
「子どものこと相談しても、優先度下位のタスクと思ってるよね」
「すぐ『育児サービス使えば』って言うよね? (迎い入れる準備も大変なんじゃ!)」
「子育て、PDCAで回せると思ってない?」
などなど。
若干偏見に満ちた意見ですが、このようなイメージを持たれる人も少なくないと思います。

しかし、最強ビジネスパーソンとも呼ばれ、ビジネス界の熾烈な競争を生き抜いてきた田端さんはちょっと違う。

「仕事を言い訳に、家族と向き合うことから逃げるなんて、はっきり言ってダサい」

はじめにより 

と言い切り、仕事と同じように3人の子どもの父親として、その役割を楽しんできました。

そんな田端さんは2022年の夏休みに、中学1年の長男、小学2年生の次男とともに、アメリカキャンピングカーの旅に出ます。
アメリカ西海岸を北から南まで、走行距離はおよそ7000kmの21日間の旅。


キャンピングカーを運転する田端さん

長男の好きな航空ショーでの次男迷子事件、宿泊施設(キャンピングカーなので宿泊パーキング)を追い出され、寝ている子どもを乗せて走った暗闇ドライブ、7000kmをひとりで運転したことによる腰痛(これは辛い!)など、父親ひとりの子連れ旅にはアクシデントもつきもの。

英語も話せない子どもたちを連れて海外を旅する重責は、子どもを持つ親なら痛いほど分かると思います。
ましてや、キャンピングカーの旅ともなると、交通事故の危険性もあるなど、単に「自由で楽しい旅」とはいきません。

しかし田端さんは、その経験をこのように話しています。

「あの旅は、私にとって本当に最高の旅だった。クルマを走らせながら、「ああ、俺はこういう旅 をしたかったんだ 」と心の底から思える、死ぬまで忘れないような、魂が震える瞬間が何度もあった。魔法のような3週間だった。」

はじめにより

アメリカの大自然を何時間も運転する中、子どもたちは代わる代わるに助手席に来て父親といろいろな話をします。
自由を求めるヒッピーたちのバイク旅映画『イージー・ライダー』の真似ごとをしたり、アメリカ西海岸のロックの歴史を語ったり。

そんな息子たちとの旅の中、田端さんはあることに気づきます。
それは「父親」としての役目の終わり。

「3週間の旅の中で、私は息子たちの成長を実感せずにはいられなかった。
特に印象的だったのは、冒頭に書いたネバダの砂漠の場面だ。
 何もない荒野の中、映画撮影ごっこをやろうぜ! と助手席の長男と盛り上がり、彼は砂漠の荒野を走り去るキャンピングカーを撮影するために、クルマを降りてカメラマン役をやってくれた。

 撮影を終えた長男が、はるか遠くから一本道を歩いてくる姿を見ながら、(あぁ、コイツはもうすぐ、俺の前を通り過ぎ、自分の道を歩いていくのだな) と深く心に感じた瞬間だった。

言い換えれば、「父親」としての役目について、終わりの始まりを悟ったのである」

はじめにより
ネバダ州のハイウェイを歩く長男

子どもの成長とはつまり、親の役目の終わりなのです。
特に「父親と息子」の関係はべったりといつまでもくっつくものではなく、息子の成長とともにどんどんと離れていくもの。

「男同士が向き合って話し対峙するのは、敵か、もしくは敵とも味方ともまだ分からない交渉相手だけでいい。これは小学生男子だって同じだ。  対等な男同士は、 向き合って話さない。大事なことは、並んで話すものだ。そして、対等な男同士の最高の意思疎通に、それほど多くの言葉は要らない。」

はじめにより

父と息子は、男と男。
対等な関係こそ、相手への最高のリスペクト。

モニュメントバレーに魅入る長男と次男

これから向き合って話すことが少なくなる長男に対し、田端さんは、これまでの人生で学んだ大切なことを、「自分軸」「学び」「家族」「仕事」「男」というテーマで本に残すことにしました。

「道に迷ったときの地図や羅針盤として役立ててほしいという気持ちもある。これまでビジネスの指南書としての書籍は何冊か書いてきたけれど、本書は「人生の生き 方」そのものを記したつもりだ。つまり私の「人生の歩き方」、いや「人生の走り方」である。正直、この本はただ売るためには書いていない。私が死んだ後に 彼が読み直してくれるかどうかに、この本を書いたもっとも重要な動機が存在している。」

はじめにより

本書は田端さんのこれまでの47年間の「生き方」 と「考え方」の提示であり、子どもを持つ親たちにとって「どう子どもを育てるか」のヒントとなる一冊です。

担当編集(2児の親)も毎日必死で子育てと仕事をしている中、子どもたちの成長を見逃しているのではないか、と罪悪感に苛まれることが多々あります。
よく年配の方からは「子どもの成長は一瞬だから今が一番楽しいわよ」と言われますが、慌ただしく寝不足の毎日に、子育てが「永遠と終わらない苦行」に感じることさえあります。

しかし本書を担当する中、子どもはいつか離れるものであり、その短い子育ての中、何を伝えればいいのか、伝えることが自分にはあるのか、と立ち止まって感じるようになりました。

田端さん曰く
「子どもは他人。究極の他者」

子育ての中心となりやすい親、一般的に「母親」は子どもの成長の評価が、さも自分の評価と感じる、感じさせられることがあるかと思います。
しかし子どもが褒められたとしても、それは親が褒められたことではないですし、逆に成人した子供の失敗は、子供が責任を負うべきです。
つまり親の役目は子供を「自立」させ、「親」という役目に終止符を打ち、「子ども」を子どもという人格から独立させることなのかもしれません。

だからこそ「家族」として一緒に暮らせる一瞬一瞬を大切にしたいなと深く感じました。

本書では、自分の人生を精一杯楽しみ、父親としての役目を果たそうとする、これまでとまた違う田端信太郎さんの一面のが書かれていますので、是非ご一読ください!

取材途中、子どものお迎えの対応で一時中断する田端さんの片鱗が垣間見れるかと思います。

担当編集 松田


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