僕はもう”論破”したくない――ひろゆきが本当に伝えたいこと
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僕はもう”論破”したくない――ひろゆきが本当に伝えたいこと

新刊『ひろゆきのシン・未来予測』を出版したひろゆきさん。巷では「論破王」と呼ばれていますが、本人は「僕には論破よりも別の役目がある」と言います。「ひろゆきブーム」が過熱するなか、彼はどういう存在であろうとしているのか――? 『シン・未来予測』の前書きで、その思いを明かしてくれました。

「将来の不安」を感じる人が増えてきているからか、あちこちで「今後の日本はどうなるのか」と聞かれるようになりました。
 とくにYouTube 配信でそうした質問をよく受けます。僕は、自分のYouTube チャンネルで、視聴者の質問に答える生配信をしています。そして、その配信を後からほかの人が短く編集し、字幕をつけた「ひろゆき切り抜き」が量産されています。この切り抜き動画はかなりブームになっていて、1カ月間(2021年5月)の総再生回数は3億回を超えました。
 第三者による切り抜きなので、僕は内容に一切関知していません。だから、動画の再生回数を見て、「世間のニーズ」を知ることになります。数ある切り抜き動画の中でも「未来予測」に関する動画はよく再生されていて、「忖度や建前抜きの本当の未来を知りたい」という人の多さを実感しています。

「先の見えない不安は社会を壊す」――フランスで起きた大規模デモ「黄色いベスト運動」を目の当たりにしたときに感じたことです。
 それまでも、しょっちゅうデモは目にしていました。フランス人が自らの考えをデモに参加して示すのは、ごく当たり前のことだからです。
 しかし、黄色いベスト運動は、単に右派対左派といった思想的なぶつかり合いではなく、まさに庶民による階級闘争そのものでした。
 最初は、マクロン大統領が指揮した自動車燃料増税の影響をもろに受けるドライバーたちが、安全確保用の黄色いベストを着用して抗議していたに過ぎませんでした。
それが、あっという間に30万人規模のデモへと拡大したのです。
 参加者の多くは、世帯月収25万円前後の労働者や年金生活者だと言われています。
 彼らは、今は貧困層には属していなくても、いつ生活が厳しくなるかわからない明日への不安に押しつぶされそうになっており、その叫びは悲愴なものでした。
 また、ごく一部ではあるものの建造物破壊などの暴力行為に及んだ参加者がいたため、デモへの非難の声が集まり、市民の間に分断を生みました。「自分たちの生活が今後どうなるかわからない」という不安がフランス社会を壊していってしまったのです。

 これは日本にとっても対岸の火事ではありません。世帯月収25 万円前後という貧困層予備軍は日本にもたくさんいるし、これからますます増えていくからです。
 それは、人口に着目すれば明らかです。人口減少は貧困層の増加と直結します。
 本書でも大きな問題として取り上げていますが、日本は否応なく縮小していきます。
 ピークであった2008年の1億2808万人をターニングポイントに、日本の人口は減り始め、2053年には1億人を割ると予測されます。
 それどころか、2060年には9284万人と、ピーク時から28%も減ってしまいます。つまり、40年後には日本の人口は4分の3以下となるわけです。
 かつて僕は、現代の「知の巨人」とも称される、フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド氏にインタビューしたことがあるのですが、そのとき彼はこう言い切りました。
「先進国が発展した要因の多くは人口増加によるもので、人口が減ることは社会にとっていいことではない」
 要するに、人口減少が急激に進んでいく日本は今後いい方向には行かないのだということです。
 僕たちは上の世代よりも幸福に生きられる人の数が減っていきます。これはたとえるなら、勝者が極端に少ない椅子取りゲームに参加させられているようなものです。

 こうした事実をテレビやSNSなどで相手の顔色を窺わずに語っていると、「論破した!」と周りが盛り上がることがあります。でも、実を言うと、僕自身は「論破」という言葉をほとんど使いません。
 僕は、会社勤めをしているわけではなく、わりと自由に使える時間があります。フランスに住んでいるので、日本を客観的に見ることもできています。英語の論文やニュースなどもそこそこ読めます。
 そんな僕の役割は「論破」よりも「投げかけること」だと思っています。
 勉強不足のおかしな評論家や、スポンサーに忖度するメディアが一方的に話すことではなく、データに基づいた事実や予測を伝え、それを受け取った人が自分で考えたり、疑問を持ったりして、そこからいろいろな討論に発展していけばいいと思っています。つまり、論破(と言われているもの)は、あくまで過程なのです。間違いを指摘したうえで、僕の考えや見立てを投げかけていく。本書は、そうした後半部分をきちんと伝えるために書いたつもりです。
 本書では、僕なりの目線で未来を語ることで、読者のみなさんに「考えるきっかけ」を提供していきます。それによって、縮小していく日本においても幸せな未来をつかめる人が増えるといいなと思っています。
 コロナ禍もあり、世界はこれまでにないほど、先行きの見えない時代になっています。今後の自分の人生はどうなるのかという不安を覚えている人も多いでしょう。そうした不安を和らげ、どう行動すべきかを見通すために、ぜひ本書を有効活用してください。



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