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【頑張りすぎて疲れたら…】奥歯をゆるめて、口を大きくぱかっと開けましょう。

現役の女性看護師で、僧侶の玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)さんの新刊『頑張りすぎない練習』から、仕事や人づき合いを頑張りすぎてしまっている人の、心と身体を癒す方法をご紹介します―。

「頑張りすぎ」は「何もしない」と同じこと!?
とにかく頑張ればなんとかなる、頑張ることこそが大切。私たちは、なんとなくそう思っています。頑張ることが目的になってしまって、頑張るためだけに生きてしまっている……。
人づき合いや、仕事、介護などで「疲れたな、つらいな」と感じてしまうは、何のために頑張っているのか、がわからなくなっているからかもしれません。

そのつらい状況が続くと、いつかはすべてを投げ出してしまうことになりかねません。
頑張っても、頑張っても好転せず、ヘトヘトに疲れたところで人生がとまってしまいます。

世の中はいつもかならず動いています。水も空気もまわりの命も、私たちの身体も考えも、動きつづけて流れています。
もちろん、時には流れがよどんで、とまってしまうこともあります。けれど、必ず自然に動きだして流れていくものです。
「頑張りすぎ」は、その流れをむりやり止めてしまうこと。
これしかないんだ―そう思いこんで、自然な流れをせきとめてしまうということなのです。

ところで、「頑張りすぎ」の反対は、「まったく頑張らない」(=何もしない)ですね。
でも、この「何もしない」も、自然な流れに逆(さか)らって、流れを止めてしまうということ。
つまり、「頑張りすぎ」は「何もしない」と同じことなのです。

ことわざで言えば、「過(す)ぎたるは及(およ)ばざるが如(ごと)し」でしょうか。「ゆきすぎることは不足しているのと同じようによくない」という意味です。

両極端はダメという考えを、仏教では「中道(ちゅうどう)」と言います。
ラクな気持ちで心おだやかにいるということは、「中道にいる」「どちらの端(はし)でもない真ん中にいる」ということなのです。

さて、あなたは今、頑張りすぎていませんか? 

頑張りすぎているかどうか、すぐにわかる方法があります。

口の中を意識してください。奥歯を噛(か)みしめていませんか?
頑張りすぎているとき、私たちは無意識のうちに奥歯を噛みしめています。文字どおり、「歯を食いしばって」頑張っています。
耐(た)えて耐えて踏(ふ)ん張ろうとして、歯を食いしばります。流れを無理やり止めようとしているのです。

奥歯をゆるめて、口を大きくぽかっと開けましょう。
家事をしているとき、仕事をしているとき、また寝ているときでも、「力が入りすぎているな」と思ったら、ぜひお試しください。

2020年3月19日発売!
頑張りすぎない練習 無理せず、ほどよく、上手に休む―
玉置妙憂(マガジンハウス)
現役看護師の僧侶がつたえる、心がラクになる生き方

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