2024年日本民間放送連盟賞優秀賞受賞のドキュメンタリー番組を緊急出版!安楽死が認められていない日本で、“死”に救いを求める人々がいる……『最期を選ぶ 命と向き合う人々、その家族の記録(マガジンハウス新書)』(山本将寛 著)
TVディレクターが見た、命と向き合う人々の生き方と逝き方とは?
病に苦しむ人を、その苦痛から解放する“安楽死”。日本ではまだ合法化されておらず、患者が死を望んでも、その自死に関与すればたとえ医師でも自殺幇助や嘱託殺人などの罪に問われます。一方で、スイスをはじめ欧米など一部の国や州では安楽死は認められており、その他の地域でも法整備や議論が進んでいます。
安楽死が認められていない日本で、私たちはこの問題にどう向き合っていけばいいのでしょうか?
本書の著者はフジテレビディレクターとして長らくこの問題に取り組み、ドキュメンタリー番組『最期を選ぶ~安楽死のない国で私たちは~』と『私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~』を制作してきました。『最期を選ぶ~安楽死のない国で私たちは~』は2024年日本民間放送連盟賞優秀賞をはじめ、ニューヨーク・フェスティバル2024ヒューマンライツ部門銅賞、第32回FNSドキュメンタリー大賞優秀賞を受賞、『私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~』はTVer「報道・ドキュメンタリー」ジャンルで歴代最高の再生数を記録するなど、大きな反響を呼び、このたび新書版として緊急出版する運びとなりました。
パーキンソン病で苦しみ続け安楽死を望んでいた良子さん(60代)は、「十分に人生を楽しんだ。早く痛みから解放されたい」と迷いなくスイスへの準備を進めます。
関西で夫と娘2人の4人暮らしのマユミさん(40代)は、家族でゲームをして笑い合う姿からは想像できない苦悩と向き合っていました。3年前からガンが転移と再発を繰り返し全身へ。その耐えがたい痛みが脳にまで達した時に、彼女はスイスでの安楽死を決断します。夫も受け入れ共にスイスへ渡航。迎えた最期の時、ベッドの傍らの夫、そしてテレビ電話で娘たちが見守る中、マユミさんは……。
スイス行きを望む人々と、その家族、医師の葛藤。フジテレビディレクターが至近距離で見た、1000日超の取材記です。
番組では放送できなかった“安楽死”の深部に迫ります。
<著者・山本将寛さんの言葉>
「本書には、私がディレクターを務めた『最期を選ぶ~安楽死のない国で私たちは~』と『私のママが決めたこと~命と向き合った家族の記録~』の映像に収めることのできなかった出来事や会話をはじめ、特に私自身の“あの時、この時”の思いを込めました。
本書もまた、多くの方の「自分はどう生きたいのか」という大きな問いを考えるきっかけとなることを願っています」
本書の校正者が、涙をこらえながら校正した作品です。
ご一読いただけたら幸いです。
<本書の内容>
● 死刑を認めている国で、なぜ安楽死は認められないのか
● 生命を延ばす方向にしか向かわない医療
● 幸せだった思い出と闘病の絶望
● 救われる人の中には家族も含まれる
● 映画監督ジャン・リュック・ゴダールの最期
● できる限り生きてほしい
● こぼれ落ちるチャーハン
● 娘たちに残したボイスメッセージ……etc.