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遊びにいくと楽しそうな太陽系の惑星は、どこ?【#頭のいい人のセンスが身につく世界の教養大全】

――火星への移住をもくろむ人もいるようだが……。

小社刊『頭のいい人のセンスが身につく世界の教養大全』(ロイド&ミッチンソン/大浦千鶴子・訳)から、読みどころを厳選! 数回に分けてnoteで公開します。本書は、イギリスで10年以上にわたって、ロング&ベストセラーの一般教養の本。「生物」「科学・技術」「生活」「文化」「自然・地理」の5章立てで、世界中の新事実を紹介。「わたしたちの多くが常識だと思っていることは、だいたい間違っている」ことを暴きます。

とにかく手近なところで……

まずは金星だろう。
気候は恐ろしく過酷だが、費用に見合う価値としてはどの惑星にも負けない。極めてゆっくり自転しているため、金星の1日は1年より長い。そして
2週間の休暇は、金星では15年以上も続くことになる。

また、天王星を除くすべての惑星と逆方向に自転しているので、金星では太陽は西から昇って東に沈む。ただし、ここから太陽を見ることはできない。空が硫酸(りゅうさん)の厚い雲でびっしりとおおわれているからだ。

旅行着にも注意が必要だ。
金星の地表はアルミニウムが溶けるほど高温なうえに、大気圧は地球の90倍(地球で水深900メートルにいるときに受ける圧力)もある。「空気」も「新鮮」とはとても言えず、大部分が呼吸に適さない二酸化炭素だ。

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遠方の目的地がいいなら海王星。ただし、地球よりはるかに高速で自転するため、海王星での1日は地球の1日より8時間ほど短い。
それでも太陽からもっとも遠い惑星だけあって、公転軌道が極めて大きく、そのため海王星の1年は地球の年数でいう約165年にあたる。四季の移り変わりもあり、1つの季節はだいたい40年続くという。

ひと夏が40年もあるというのは魅力だが、夏は夏でも、海王星のこの時季の平均温度はマイナス200℃というから、ちょっと考えものだ。


実際訪れるとガッカリしそうな、あの「輪っか」

木星は、サイズも温度もまずまずの星だが、休暇を過ごすのに理想的とはいえない。木星のほとんどがガスでできているからだ。
厚さ4万3,500キロメートルもの(ガス状の)液体水素の黒い層が炭素を押しつぶし、リッツホテル並みの巨大なダイヤモンドを生成している。
ちなみに、大気からは(水ではなく)ネオンが降り注ぐので、木星に降る雨はまぶしいほど鮮明な赤色をしているそうだ。

土星の見事な環は、幅がなんと11万2,600キロメートル以上もあるが、それでも現地を訪れて間近に見るとがっかりするかもしれない。
環の厚さは9メートルしかなく、大半が氷の粒で、その粒も直径1センチほどのサイズだそうだ。そのうえ、土星には立つところも腰を下ろすところもない。
密度が極端に低い惑星なので、土星がすっぽり入る巨大な湖があったとしたら、そこに土星を浮かべることができるだろう。

休暇には歴史をひもとくのもいいというなら、出かけずにのんびり家にいるのをおすすめする。

もろもろの多様性はあるものの、実は惑星(と太陽)はすべて同い年だ。およそ45億年前に、太陽系の惑星は同時に形成されたといわれている。


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